尼崎の飲み屋でふと聞かれた「公証人ってどんな人?」|士業がお世話になる法律の専門家

「公証人って、どんな人なんですか?」
先日、JR尼崎近くの行きつけのバーで、知り合いの洋食屋のマスターと飲んでいたときに、そんな質問を受けました。
行政書士として仕事をしていると、公証人の方と関わる機会があります。会社設立時の定款認証や、遺言公正証書の作成などでお世話になる、公証役場の「公証人」です。とはいえ、一般の方からすると少し分かりにくい存在かもしれません。
今回は、専門手続きなどの解説とは異なり、行政書士の立場から「公証人」を簡単にご紹介させていただきます。
公証人とはどんな人?
まず特徴的なのが公証人の立場です。公証人は国家公務員法上の公務員ではありません。一方で、法務大臣から任命され、国の公務である「公証」を担っています。そのため、法務省や日本公証人連合会では「実質的な公務員」と説明されています。
(参考:日本公証人連合会HP https://www.koshonin.gr.jp/system/s02/s02_02 )
もう一つ特徴的なのが収入です。公証人には国からの給与や補助金はありません。受け取れる手数料は法律で定められており、その手数料収入で公証役場の運営費をまかなっています。日本公証人連合会も、公証人を「手数料制の公務員」と説明しています。
この話を聞くと、「公務を担っているのに、収入の仕組みは普通の公務員と全然違うんだ」と意外に感じるかもしれません。洋食屋のマスターも「じゃあ我々、個人事業主と同じなんやね」と驚かれていました。
公証人は何をする人?
公証人の仕事には、例えば次のようなものがあります。
- 株式会社などの定款認証
- 遺言公正証書の作成
- 契約などに関する公正証書の作成
- 私署証書の認証
公証制度そのものは、将来の民事上の紛争を防ぎ、法律関係を明確にすることを目的としています。
私自身も、会社設立時の電子定款認証や、公正証書遺言の作成を通じて公証人と関わることがあります。「公証役場」という名前から裁判所のような場所を想像される方もいますが、公証人の役割は裁判で白黒をつけることではありません。トラブルになる前に法律関係を明確にしておく——これが公証制度の大きな役割です。
公証人は法律のプロ中のプロ
原則として、裁判官・検察官・弁護士など法律実務に携わった人の中から、公募を経て法務大臣が任命します。あわせて、長年法務事務に携わり法曹有資格者に準ずる学識経験を持つ人が任命される制度もあります。つまり、公証人になる人は長年法律実務に携わってきた方が中心です。
公証人の仕事では、当事者の一方に肩入れせず、中立・公正な立場から法律行為や文書を確認することが求められます。行政書士や司法書士、弁護士などが「依頼者のために働く」のとは、少し立ち位置が違うわけです。
行政書士がよくお世話になる場面
会社設立時の定款認証
株式会社を設立する場合、原則として定款について公証人の認証を受ける必要があります。
会社の基本事項を決める → 定款を作る → 公証人による定款認証 → 設立登記
私自身、電子定款の作成・認証も業務として扱っております。会社設立を考えている方にとって、公証人は意外と身近な存在です。
公正証書遺言の作成
遺言者が公証役場で遺言の内容を伝え、公証人が公正証書として作成します。
相続のご相談では「遺言は自分で書けばいいんですか?」「公正証書遺言ってどこで作るんですか?」というご質問をよくいただきますが、ここで登場するのが公証人です。
尼崎市を管轄する公証役場
弊所がある尼崎市は、阪神公証センターが管轄です。
阪急塚口の「塚口さんさんタウン」にあります。さんさんタウンは、子供の頃に親と一緒によく行っていた思い出の場所です。まさか、仕事で関わることになるとは思ってもみませんでした。
「公証人って何をする人?」をまとめると
バーで聞かれた質問をきっかけに、改めて調べ直してみました。
公証人は、国の公務である公証を担いながら、国から給与を受ける一般的な公務員とは異なる少し特殊な立場の法律専門家です。会社設立、遺言、契約など、「あとから揉めないように法律関係をきちんと形にしておきたい」という場面で登場します。
「公証役場って何をするところ?」「公証人に相談した方がいいの?」と疑問に思ったときは、まず行政書士など身近な専門家に聞いてみるのも一つの方法です。
会社設立や遺言書の作成など、尼崎をはじめとする阪神地区の皆様のご相談を受けております。
まずは無料相談をご利用ください。
